精神病院の開放病棟は看護師に人気があります

2016-07-26_153526

精神病院で開放病棟で個室ばかりの病棟の看護師をしています。開放病棟には比較的症状が穏やかで、基本的に自分のことは自分でできる患者さんがほとんどです。患者さんは朝9時半から夜5時まで外出可能で、医師の許可があれば外泊も可能です。個室ばかりなので患者さん同士のトラブルも少なく、お世話らしいお世話をすることもほとんどありません。

看護師は大抵詰所におり、各患者さんの毎日の体温や眠りの状況などを報告したり、食事を分配するような軽業務がほとんどです。たまに詰所に話をきいてほしい患者さんが来られる時は、その人の話をよくきいて話し相手になったりすることはあります。他の閉鎖病棟の看護師に比べ仕事は楽なので、とても人気があります。

夜勤の時は2人一組で勤務し、夜の前半と後半で交代で休憩をとります。夜中はほとんどの患者さんが眠っておられるので静かで、勤務中とは思えないくらいゆっくりしています。しかし、最近では軽い認知症の患者さんがこの病棟に入院されることも増え始めたため、たまに一人で出かけられて帰りが遅くなったり他の患者さんに迷惑をかけることはあります。

相対的にみて閉鎖病棟の看護師はやさしい物言いができ、患者の立場にたって物事を考えることができる人が多いようです。また聞き上手なことも必要です。患者さんは基本的に孤独で、退院後の不安や薬の副作用なので悩んでおられる方も多く、少しでもその方たちの悩みが減るよう努めるのがこの閉鎖病棟の仕事です。

新人看護師の失敗

私が新人の頃の同期の看護師の話です。
ある日のこと病棟勤務で患者さんの検温のため病室の巡回をしていました。すると他の病室から「看護師さ~ん、誰かきて~。」と必死で助けを求める同期の看護師の叫び声が聞こえました。まず、看護師が「看護師さ~ん。」って叫ぶなんて変な話です。普通は急変時の場合はナースコールを押して助けを呼ぶので、おかしいとは思いましたが、よほどのことだと思い私は急いで病室へ駆けつけました。

すると、同期の看護師が患者さんに両手をかまれた状態で泣きそうな顔で助けを求めていました。なぜ、両手を噛まれているのか、なんとも不思議な状況だったのですが、なんとか患者さんの口をこじ開けて同期の手を患者さんの口から外すことができました。半泣き状態の同期に事情を聴くと、患者さんの痰の吸引をしていたところ、右手で吸引チューブを持って、左手は患者さんの口を開けるために指を口腔内に入れたところ左手指を噛まれたようでした。患者さんは脳障害があって意思疎通の難しい方だったため、噛まないように声をかけても離してもらえず、やむなく右手で外そうと右指を口腔内にいれたところ、不幸なことに右手も噛まれてしまったとのことでした。それで、両手をしっかり患者さんに噛まれた状態になってしまい大声で看護師に助けを求める状況となったようでした。

同期の看護師の両手指は患者さんの歯型がしっかりついており痛々しいものでした。あとから、先輩看護師にがっつりと注意を受けたのですが、下手したら指を食いちぎられた危険性もあったようで、話を聞いた後でぞっとしました。こうして、意識障害のある患者さんの口腔内に安易に手を入れてはいけないということを学ぶことになりました。